深海絵画展

深海好きが集まって、恵比寿のギャラリーに深海の絵を飾るイベント「深海絵画展」。その展示作品を紹介していきます。

海底火山神としてのイザナミを描いた油彩画

f:id:shinkaikaiga:20170317020232j:imageshoji「国生み」油彩、53x62cm

構想

前作「黄泉のブランド」ヨミノアシロの続きの作品です。今回はイザナミがマグマ柄の着物<国生み>を着て宣材写真を撮ったという設定です。(笑

背景は海底火山です。熱水噴出孔(チムニー)ではなく火山。実際の海底火山の映像を見ると、マグマが露出して火山礫が飛び散っているところがチムニーとは違うヤバさを醸し出してます。

ちなみに深海には人知れず噴火している火山がたくさんあるらしいですが、水圧がすごいので海面には出てこないのだとか。思わぬところで人類は深海に助けられているんですね。

 

日本神話の火山起源説

日本神の火山起源説を探してみると結構出てきました。書籍などいろいろ読みましたが、ネットで読めるものでは下記の記事が面白くてオススメです。

日本列島を産んだ火山の女神イザナミ - 古事記、火山、秀吉──歴史を幻視する本 桃山堂

イザナミ以外に天岩戸伝説も火山起源ではないかと解説していて、それもとても面白かった。

 

作品解説

今回は、深海の青とマグマの苛烈な赤を出したかったので、銅版画ではなく油彩で描きました。

制作過程はこんな感じです。粗く描いてグレーズかけて描き起こす…というオーソドックスな描き方。

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噴煙部分アップ f:id:shinkaikaiga:20170328222210j:image

結構ペインティングナイフで盛り上げました。グレーズをかけると顔料が凹凸に溜まって煙のような立体感が自然と出ました。こういう立体的な技は油絵ならでは楽しいです。

 

イザナミ部分のアップf:id:shinkaikaiga:20170328223252j:image

このイザナミ、なんで真っ白かというと深海生活が長過ぎて色素が抜けたという裏設定を込めてます。(^^)

手元の魚は朱雀幻魚(スザクゲンゲ)という熱水噴出孔付近で発見された魚です。

 

着物アップf:id:shinkaikaiga:20170328222443j:image

カドミウムレッドという「どう見ても毒だろこれ」っていうすごい発色をする絵の具があるんですが、それを豪快に塗ってます。普通に風景を描くとこんなに強い彩度が使えないので、塗っててとても楽しかったです。

 

展覧会情報

この作品が展示される「深海絵画展」詳細は以下の通りです。ぜひご来場ください。
開催期間: 2017年4月25日(火)〜4月30日(日)
開場時間:11:00〜19:00(最終日17:00まで。15:00〜17:00はクロージングパーティー)
会場:弘重ギャラリー | 東京都恵比寿6分。天井高3mの本格的ギャラリー
住所:東京都渋谷区恵比寿2丁目10番3号 ART CUBE EBIS B1F
入場無料

アーティスト情報

このアーティストの他の作品は以下のサイトにあります。
shojichiaki portfolio – 油絵、銅版画、写真