深海絵画展

深海好きが集まって、恵比寿のギャラリーに深海の絵を飾るイベント「深海絵画展」。その展示作品を紹介していきます。

お洒落な深海銅版画を目指して。沈没船+漂う白いドレスに挑戦

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深海のロマンは謎の生物だけじゃない。それは

沈没船!

f:id:shinkaikaiga:20161221225859j:imageタイタニック 沈没の真実 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

沈没船の写真は神秘的でお洒落。今回の銅版画は深海生物とは違ったお洒落な雰囲気を目指してみたいと思います。

構想

沈没船だけでもいい気がするのですが、水中ネタで以前からやりたかったネタがありまして…

それがこちらです。

UNDERCURRENT

ビル・エヴァンス UNDERCURRENT

このジャケット。昔憧れました。この雰囲気の再現を狙って

 

「水中+白いドレス」

 

この組み合わせでやってみたいと思います。

このモチーフって結構魔法の構成だと思っていまして、これが洋服、例えばシャツみたいな姿で水中を漂っている絵を描いてみると、あら不思議。

単に溺れてる人に見える。

この現象の理由は何故なのか説明はできないのですが、ドレスって日常的じゃないので、リアルな状況じゃないと脳が判断するのかもしれません。

オフィーリアの絵も溺れようとしている場面ですが、優雅ですからね。

f:id:shinkaikaiga:20161223104304j:imageジョン・エリオット・ミレー「オフィーリア」(出典: Wikipedia 

というわけで下絵がこちら。

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銅版画

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今回の作品はアクアチントもメゾチントも使わずにエッチングの線だけで描いてみたいと思います。

何度もグランドを引き直してひたすらニードルで線を引いては腐食。線を引いては腐食…

線を密集させて闇を表現するやり方です。

まずは濃いところから描いて腐食

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全体に線を密集

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結構な作業量

作品

f:id:shinkaikaiga:20170314032107j:image『船の墓場』、銅版画、18cm×24cm

完成品です。

アクアチントやメゾチントと違って闇部分が線で出来ているのでザワザワした感じが特徴です。

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画面隅にこっそり深海生物も描いておきました。ダンボオクトパスとよく沈没船に居座ってる底生魚です。

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飛んでいるのはシーバタフライ。カタツムリの殻の生えたヒレをパタパタと動かして泳ぐ巻貝の一種です。神秘。泳いでいる動画が面白いのでおすすめです。

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展覧会情報

この作品が展示される「深海絵画展」詳細は以下の通りです。ぜひご来場ください。
開催期間: 2017年4月25日(火)〜4月30日(日)
開場時間:11:00〜19:00(最終日17:00まで。15:00〜17:00はクロージングパーティー)
会場:弘重ギャラリー | 東京都恵比寿6分。天井高3mの本格的ギャラリー
住所:東京都渋谷区恵比寿2丁目10番3号 ART CUBE EBIS B1F
入場無料

アーティスト情報

このアーティストの他の作品は以下のサイトにあります。
shojichiaki portfolio – 油絵、銅版画、写真